ネット上には自称「プロ投資家」の成功体験が溢れかえっています。
はっきり言って「眉唾」ものの体験談も少なくないのですが、フィクションめいた成功体験談にも活用法がないわけではありません。

 

■あえて伏せられている「リスク」を分析する

成功体験の多くは、投資家を煽る目的で執筆されています。
そのため、投資上のリスクは巧妙に隠匿される傾向にあり、容易には体験談の「ウソ」を見破ることができません。しかし「美味しい話」には落とし穴=リスクがつきもの。「こうすれば、こうなる」式の体験談は、その多くが「机上の空論」といっても過言ではないです。

 

成功体験によく見られる傾向は、

・誰でも(年齢や資産状況を問わず)

・どんなときでも(市場の動向に関係なく)

・どんな場合でも(不確定要素を無視して)

 

私がやった通りにやれば上手くいく、という偏った経験則。しかし実際には、投資に「必勝法」は存在しませんし、どんな投資法にも一定のリスクが潜んでいます。こうした投資家を煽る「成功体験のフィクション」に、あえて存在価値を見出すとすれば、それはその「ウソ」を見破る「教材」としての活用術。一見したところ誰でも上手くいきそうな「美味しい話」に、実際はどれほどの「リスク」が隠れているのか。自分がその「カラクリ」を看破できるかどうか。偏りの見られる経験則は、投資家としての「腕試し」に最適な教材なのです。

 

 

成功体験から「私ならこうする」をシミュレート

モデルケースとなる体験談について、ある程度リスク分析ができるようになったら、次はその体験談の「ブラッシュアップ」に挑戦してみましょう。コストカットやリスクヘッジ、ローンの借り換えや補助金・節税制度の利用など、「こうすればもっと収益がアップする」方法を自分なりに立案してみるのです。

いわばオリジナルの「成功体験」をシミュレーションして、「元ネタ」よりも完成度の高い投資法を計画するわけですね。

 

 

上手にリスクを分散している成功体験は参考になる

「こうすれば儲かる」式の成功体験はあまり役に立ちませんが、「こうすればリスクを分散できる」式の体験談はそれなりに参考になります。例えば、バブル期に「儲けた人」の話より「損をしなかった人」の話の方が、役立つ情報は多く含まれているわけですね。

もちろん完璧なリスクヘッジは不可能だとしても、「失敗を回避するコツ」には一種の「パターン」が存在します。そのパターンを把握することそこ、投資家としての「スタートライン」に立つことであり、最低限「学ぶべき知識」に他なりません。